歌に対するコンプレックスがありました。

決して嫌いではないですし、仕事として、オリジナル曲もいくつかあり、最近はミュージカルへの出演も多くなってきました。
しかし、コンプレックスがありました。
歌やミュージカルの仕事の都度に、ボイストレーニングの先生にご指導いただき、その時には自分でも何となく何かを掴んだ気になるのですが、仕事の煩雑さにかまけて、レッスンを怠り、自己判断のみの発声などになると、途端にいろいろな迷いが生まれます。
リズム、ピッチ、メロディや歌詞に対する解釈…正解を求めて悪戦苦闘する日々…勿論これは、俳優として毎度ある必要な”闘い”です。
しかし、全てが自分一人では、どうしても壁がすぐに立ちはだかるのです。
以前にお世話になったボイストレーナーの方に連絡をとり、教えていただく事なども経験しましたが、大切なのは”正しいやり方での反復”…。
なかなか実行できず、コンプレックスは深まるばかり…そんな時に高田先生の”高い声で歌える本”に出会いました。
正直、音楽に対してはほぼ素人の僕には難しい内容でしたが、”あなたの本当の声を見つけましょう”という先生のメッセージに心を打たれ、レッスンに申し込みました。
レッスンでは、最新のメソッドをとても懇切丁寧に教えてくださいました。
今まで持っていた意識とは真逆のような練習法も多く(単に僕が正しい知識がなかっただけですが)、目から鱗が落ちるが如く、大変に新鮮な経験の連続でした。

技術的なことは勿論ですが、先生のお優しさ、丁寧さ、明るさが、あれこれ不安に思う気持ちをほぐしてくださる気がするのです。

相変わらず、定期的にはレッスン出来ない状況ではありますが、いつでも、歌の事をご相談させていただけて、正しいやり方で必ず背中を押してくださる高田先生のレッスンは、僕の心身の”お守り”のようです。

まだまだコンプレックスは消えてはいませんが、本当の自分の声を探す、求める事が、少し楽しくなってきた気がしています。
一緒に伴走してくださる、信頼する高田先生がいらっしゃるからです。

僕も還暦を過ぎましたが、まだまだこれから…
“可能性”を信じさせてくださる高田先生と一緒に、”本当の自分の声”を元気に探していきたいと思います。

松村雄基